こんにちは クモです。
久しぶりに図書館に行ってみたら面白そうな本があったので
手に取って見ました。
最近よくある
・日本経済では、ベンチャー企業が育ちにくい
・会社員なんかやめて企業するべき
・行動しないリスクの大きさ とかを
イタズラに煽るような本って結構多い中で
この本は、経営学ってどういうものなのか、に絞って解説されていました。
私がこの本を読んで感じたのは、「経営学」とは起業家の為の学問ではなく
経営者や、会社員のための学問と捉えることもできるのだな,という事です。
起業家として成功するような人は、そのようん素質を持っているので
わざわざ経営学を学ばなくても起業をする。
会社員やサラリーマン社長が組織の力学に翻弄されないように、経営学を学ぶのだ そのように著者は言いたいのではないか、と感じました。
以下、本文の中で気になったところをピックアップして行きます。
「組織のリーダーとは、組織論理に唯一立ち向かうコトができる存在である」
私はかつて、日本でいう大企業のメーカーに勤務していたコトがありました。
そこでは品質保証部に所属し、新機種の品質保証を担当していました。
ものづくりをするうえで、品質問題は頻発します。
品質の安定とは、メーカーの涙ぐましい努力の上に成り立っているのだということを身を以て体験していました。
ただ、やはりそこには組織論理であったり政治の力が働きます。
入社したてのころには
自分自身がコンプライアンスを遵守し、お客様の為に良い商品をつくるんだ
そのための防波堤になるんだ
そういう気持ちで、一つ一つの問題に取り組んでいたものです。
ただ、だんだん慣れて来ると、そうも行かなくなります。
組織論理に従うことも、ある意味合理的だなと思えて来るようになります。
どうしても
目先のサラリーだったり、昇給が大事ですからね。
お金さえもらえれば、何をしてもいいわけではありません。
ただ、だんだんと線引きはグレーになっていきます。
でも、もう少し長期的な視点で見て見れば
目の前の課題に真摯に取り組むコトで
もしかしたら製品のファンが増えるかもしれない。
もしかしたら目の前に技術課題に取り組むコトで、技術革新が生まれ、その強みは自分たちに大きな利益をもたらすかもしれない。
そういった視点を持ち、
長期的な視点で組織を導いていく事がリーダーの役割だと
この本には書かれています。
そう思えば
自分は勝手に品質保証部門を組織の傍流だと思っていましたが
確かに仕事の位置付けからして、本流とは距離があるものなんですね。
貴重な体験をすることができたのだと、今は感謝しています。
また、著者は起業家を増やしていこうというような日本の風潮にあまり賛同していない印象も受けました。
もう個人の時代ではなく、組織の時代に突入していることがその理由だと述べています。
その例として「電球を発明した人の名前を私たちは知っているが、スマホを発明した人の名前を私たちは知らない」と挙げています。
フォードによって規模の経済の偉大さが発見されて以来、組織の強さを私たちは目の当たりにしてきました。
何かと批判されることの多い日本の大企業ですが、歴史を持ち、発展を続け、競争力を維持し続けている日本の企業のすごさを改めて実感しました。